2010年4月14日水曜日

製薬会社の業務停止命令

田辺三菱に25日間の業務停止命令

弁当屋さんが食中毒出して営業停止ならばしょっちゅうだけれども
製薬メーカーの業務停止命令とは・・・?
(医療介護CBニュースより引用)
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田辺三菱製薬の子会社バイファが遺伝子組み換えヒト血清アルブミン製剤「メドウェイ注5%製剤」の承認申請資料のデータを改ざんしていた問題で、厚生労働省は4月13日、田辺三菱製薬に対し、25日間の第1種医薬品(医療用医薬品)製造販売業の業務停止を命じたと発表した。子会社のバイファも、30日間の医薬品製造業の業務停止処分を受けた。
 同省の発表によると、バイファが品質試験、製造工程の各段階でデータの改ざんなど薬事法違反に当たる不適切行為を行っていたのに対して、田辺三菱はバイファとの情報共有・伝達が実務的に機能していなかったため、管理・監督が十分にされておらず、バイファの不適切行為を漫然と見逃し、承認申請資料の信頼性の確保と、適切な製品の製造管理、品質管理を行わせることができなかったと指摘している。
 
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「製造工程の各段階でデータの改ざんなど
薬事法違反に当たる不適切行為を行っていた」って・・・
全部がうそ?で固めた?と言う事ですか?

内容を読んでもなにをどうしたのかがまだ分かりませんが
こういう事件は「よく表に出たものだ」とも思います。
改ざんした、と言ってもそりゃあ「しろ!」と
命令があったに決まっているし
それが表に出るには内部告発・・・かなぁ・・・

ちなみにアルブミン製剤にも遺伝子組み換えがあるとは
知りませんでした。
勉強不足でした・・・
私自身がこの様なごっつい薬剤を
取り扱わなくなってから長いもので・・・
ちょいと検索をかけてみました。

遺伝子組み換えヒト血清アルブミン製剤(商品名:メドウェイ注5%、同25%、ステム注5%、同25%)2007. 11. 29



献血に頼らなくてもいいので安定供給が望めて
感染症のリスクも減って・・・と期待の星だったわけですね。

でもどんな段階のどんな内容かはまだ公表されていませんが
データ改ざんではねぇ・・・

「やれ!」と圧力をかけられたらやらざるを得ない。
そこで拒否ったら某スカ○イマークの機長のように
即日解雇の憂き目・・・と同じ構図が目に浮かびます。
子会社が改ざんしていたがそれを管理し切れなかった
みたいな言い訳はトカゲのしっぽ切りだし。
どこも同じ人の世ですねぇ・・・・

家と病院の狭間で

先日の往診、大荒れ・・・

定時往診の件数は少ない。
天候は悪い。
さっさと片付けて内勤業務に励むべし・・・
と段度っていたがそうはいかなかった。

まずは訪問看護ステーションから連絡が入る。
97歳のお婆ぁが脱水起こして入院。
家に帰りたがるので退院。
しかし「ご飯が食べられない」との事で自宅で点滴。
・・・・よくある話なのですが
この「ご飯が食べられない」がかなりくせもの。
家人・介護者は「朝・昼・晩3回の主食・副食を全量摂取」
しないと「食べられない」「食事が取れない」「死んでしまう!」
と訴えがち。
・・・・ほぼ寝たきりでご高齢で1日3回きっちり食べられる
そういう事はありえないのですがねぇ・・・・
周りが自分の年齢、活動性のものさしで
与えてしまい食べた食べられないを判断して
「点滴!」「入院!」「流動食!」と騒いでいる事も多いのです。

まぁ、それはともかく・・・・
そのお婆ぁはジュースや饅頭をぼちぼちとっている様子。
「それで良いんですよ」
と言うと介護者がようやく納得します。
「3度の食事をとらない」→「介護の仕方が悪いからとらない」
→「自分が責められる」
と言う思考回路、防衛意識が働くみたいですねぇ・・・

点滴に入った訪問看護師があわてて連絡をしてきたのは
本日になって急激に熱発してきたからです。
定時往診の合間に差し込んで行ってみます。
肘がパンパンに腫れていて動かすと痛がります。
・・・・
よく聞くと「3日前から痛がっていた」との事。
うーん・・・

関節炎は関節炎です。
細菌性のものだとしてもどこから感染するのか?
膠原病的な要素はないし・・・
高齢者に限らずどうも説明がいかない
単関節の炎症と言う現象に良く出くわします。
まあ、専門の病院・医者に見てもらったら
なにかしらの原因・病名は分かるのでしょうが。

念のため採血をかけると
「・・・思っている以上にCRP(炎症反応)高いじゃないの・・・」
家人に電話連絡。
先日の入院の前には
「家で最後まで看取るのか、入院させるのか」
と家人判断を迫ってみました。
その時は「なるべく長く家で看たい」と言ったのですが
次の日の朝に「入院させてくれ」
・・・「なるべく長く」が半日かいな・・・・
考え・態度がころころ変わる家なのでこっちも用心。
今回は訪問看護で施行している点滴に
抗生剤を追加する事で皆さん納得。

「あそこは行くたびに態度が変わる」
訪問看護の人にちょっとぼやいてしまいました。
「どうも、事あるごとに親族会議を開いていて
そこで出した意見がしょっちゅうブレるみたいですよ」
・・・・なるほど・・・・

本人が入院を嫌がっていたところで
家人・親族が決めてしまえば
家には居られません。

ようやく病院に帰ってきたら・・・
「○○さんが退院して入院しました!!」
「・・・・????何・・・・・?」

95歳のお爺ぃがちょっと遠くの病院の整形外科に入院していた。
数年前に手術した股関節の部分から
金属がはみだしている、との事で連絡があったのだが
あいにくその日は私も整形外科医も不在。
別病院に行ってしまって
「どうなったのかなぁ・・・」
と気にはしていた人なのですが。

「向こうの病院の整形外科を退院させられたが
家に帰る途中、あまりにも状態が悪いので
うちに寄ったら入院」

むこうの整形外科さんは股関節の部分だけを見て
「金属は押し込んだし皮膚表面の傷も治ったから
整形外科は退院」
とした様子。
まぁ、確かに局所だけ見ればおっしゃる通りなのですがね。
しかしてお爺ぃを見れば
全身むくみ倒して意識はほとんどないわ両手の皮膚はずるむけだわ
ぜこぜこひゅーひゅーと喘いでいるわ・・・
聞けば3日前からこっちは本当に食事も水分も採れていないとの事。
おーい・・・心不全、脱水、肺炎ですよぉ・・・・
どんな一般人が見ても状態が普通ではないのはわかりますよぉ・・・

「家で看取るのだ」と言う方針があって帰すのならばまだしも
「もう整形でやる事ないから退院」で
全身状態の悪い人を追い出すのはひどいでしょ。
それが95歳で重度痴呆の人でもです。
確かに整形の患者さんではなくなっていますが
内科医に相談するとかせめてこっちに連絡してくれるとか・・・

本当に股関節しか見ていなかったのか
「あ、状態悪くて死にそうだし面倒だから退院させちゃえ」
と思ったのか・・・
両方か・・・

家と病院の狭間で患者も家族も彷徨っています。
医者もトラブルを避けたいのと
いわゆるプライマリケア技術の不足で
お互いに押し付け合いになって消耗しています。

2010年4月12日月曜日

ようやく時代が振り向いてくれた・・・・かな?

放射線科医の地位向上

先日、画像読影を外国に下請け云々のニュースがありました。
ちょうど学会総会の直前の報道だったので
わざと火に油を注ぐつもりか?
と思っていたらこんな内容で続報が・・・
興味・関心の無い人にはばらばらの報道に見えるでしょうが
これは繋がっています。
水面下で火花が散っています・・・・
(医療・介護CBニュースより引用)
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群馬大医学部の遠藤啓吾教授は4月9日、
横浜市で開催されている日本医学放射線学会の総会で、
「放射線科医からみた画像診断の診療報酬と我々の社会的地位」と題して講演し、
放射線科医の社会的地位を向上させるため、
画像診断の診療報酬を引き上げるべきと強調した。


 遠藤教授は放射線科医について、小児科、産婦人科、外科などの
医師と比べて「社会的にあまり注目されていない」と指摘。
 放射線科医の社会的地位向上のため、
画像診断の診療報酬増や、医師が技術を磨いて
病院や医師会などで活躍することなどが必要との認識を示した
(↑ま・・・当たり前の事ですが・・・
いろいろな意味でおざなりになっている面がある事も確か)

 また、「医療経済における放射線医療」について講演した
全国自治体病院協議会の邉見公雄会長は、
「麻酔、放射線、病理が日本の医療で一番弱い。
(中略)病院のレベルはこの3つの科によってほとんど決まる」と指摘。

 さらに、医療と教育を「日本の二大基幹産業」と表現し、
「医療費と教育費の底上げ以外にこの国の道はない」と強調。
その上で、よい機械や技術、高度な知識を
適切に評価していく必要があるとの考えを示した。
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とにかく報道の内容には拍手。
ハードだけ買い揃えて意味の無い検査を乱発、
それで数少ない読影医に「とにかく処理しろ」と押し付けるのは無理です。
診療報酬を上げればいい、と言う問題だけではないと思います。
上げれば上げたで
「この読影レポートが何点だからもっと積み上げろ!!」
とありえない件数をさばかせようとする経営者も居ますからね。
出来ない、と断るとこっそり偽装したりして・・・・
最近はレポートもファイルメーカー入力だったりするから
誰が入力してもばれっこない・・・みたいな。
監査する方もレポート内容までチェックする力も時間もありませんしね。

患者、医者、経営者、社会の認識を変えていかないと
解決にはなりません。

この国における放射線医の社会的な地位の低さ、認識のなさは
昔からいろいろな場面で思い知らされてきたものですが
それに「麻酔」と「病理」で3点セットとは思いつきませんでした。
うーん・・・裏方さんではありますがね「麻」「放」「病」
この3科だけではなく根幹を成す大切な仕事はいっぱいあります。
みんな必要なんです。
外科医偏重のドラマ、漫画であおってきた社会の風潮も
どうかと思いますよね。

医者の仕事にも厳然としたヒエラルキーがあるので・・・
また、そういう伝統?封建主義がきっつい地方の出なので
そりゃあ「放射線科医です」なんて口にした途端
「そんな恥ずかしい事を表で喋るな!!」と
親・親戚から総攻撃・・・
いや、事実でして・・・恥ずかしいらしい、親・親戚としては。
よく分かりませんが。
まあ、そこまで極端ではないにしろ
「放射線科の医者?何してんだか」と言った見下し感は
厳然としてありますねぇ・・・・

報酬がうんぬんがもさる事ながら
理解・認識を深めてもらう事には大賛成。
ようやくこういう報道が出てきてくれるようになりました・・・・

法医学というジャンル

先週末になりますが法医学関連の基礎的な研修会に参加しました。


専門外の会に参加するのは初めてで

集まる人もカラーが違うなあ・・・と一人で感心。

検死・検案は人目につかない業務ですが

社会的に大切な役割を担っています。

警察・消防との連携をどうするか、など各地で皆さん模索されている様子。



昨年夏の兵庫県佐用町の集中豪雨の事例を取り上げての講演がありました。

スライドで見せられると改めてこの災害の規模の大きさが分かりました。

講演者は佐用町の地元のお医者さんで

なぜここまで水害が拡大したかも分析。

もちろん気象条件が主たる原因ですが

川に架かっている橋の構造にも問題があるそうです。

「私が子供の頃は少し増水すれば橋は簡単に流れた・・・」

現在は強度の高い立派な橋になっていて

すると増水すればごみや木が流れてきて橋げたに引っかかる。

そこで水がせき止められた形になるので

水は両横の市街地にあふれ家屋・人的被害が増す。

・・・・・高知の沈下橋の構造の逆ですね・・・・

インフラは大事ですが

大きい事、強い事が最善ではない、と言う概念が必要ではないでしょうか。

法医学とは直接関係が無い要素かもしれませんが。



インフラと言えば検死・検案の業務だってインフラなのですが

どうも人手不足、社会的な理解不足の面があるようで

各方面の方々が現場で苦労されている側面も見えました。

かと思うと「協力を申し出たのに必要ないと断られた」とか

お互い微妙にあてこすりをしていたりでおかしかったですね。

「よかれと思って」は仇

本日の往診は件数こそ少ないが新規が加わってかなりヘビー。


外来に来れなくなる→家人が薬だけ取りに来る

のパターンに陥った人には出張、と言うわけ。

介護保険のからみもあるしコンサルタントの側面が強くなる。

もっとも、医療のそして医師の本質はコンサルタント業だと思っているが。

投薬の手術の技術的な面ももちろん大切だが

大前提として「送り手」「受け手」の同意・合意がないと

いくら最先端・最高の技術を施してもそれはおせっかいに終わる。

今の世の中、患者も医者も情報過多で

何か余計な処で力を消耗している気がしてならない。



今日のテーマは「よかれと思って」

元来の性格に痴呆も加わって入院させれば暴力を振るうわ

思い通りにならないと当り散らして支援を拒否るわ

家族もよりつかないわで難儀しているじい様がいる。

要するにだだっ子の延長なのだが70をとうに超えてだだっ子では困る。

困るが仕事として関わる者はかかわらざるを得ない。

予想はしていたが往診も「あれもいらんこれも気に食わない」で拒否。

「薬もいらん」と怒鳴り散らすし、服薬管理もままならないため撤退。

担当のケアマネさんが自分も怒りながらも熱心に調整はしてくれているのだが。

このケアマネさんは本当に粘り強く熱心にしてくれるので

わたしも可能な限り調整には応じる。

それはいいのだが、このケアマネ氏、ぽろりと

「よかれと思ってやっているのに」全部拒否られる、と口走る。

うーん・・・

こっちの「よかれ」と相手の「よい」が一致する事ばかりではないのだけれどもなぁ・・・

熱心に仕事をするあまり相手のペースに飲み込まれている感じ。

相手がある一定以上の理解力を持って同意する方向をむかないと

こっちの「好意」もかえって仇になる。



本日は同様のパターンが3件発生する。

もう1件は病院職員の家族との問題。

もう1件は私用の出来事なのだが

途中でメールががんがん錯綜するので無視できず。

共通するのは「よかれと思って」

立場・状況としては全部違うのだが

こんな話が同じ日に起こるのはかなり珍しいな、と思う。



「よかれと思って」何かをする時のヒトの心理とは何だろう。

善意が行動の発端である事は間違いない。

それが仕事でも善意がなければ始まらないだろう。

しかしてその「善意」にはどうしても「我」が入る。

送り手も人間だから「よい事をしてあげたのだから感謝して欲しい」と思う。

意識・無意識はともかく何%かは絶対「みかえり」を期待する。

期待するのが当然だとも言う。

聖人・聖女ではないから、普通の我々は。

そこを押し返されると「ハラがたつ」

始めは「仕事だから」「親だから」「大切な友達だから」と理性で我慢するが

どこかで限界を超えるとヒートアップ。

そうなると自我と自我の押し合いになって、これは絶対に解決しない。



職員が私の部屋に来て親の相談を延々とした挙句(相談はかまわないのだが)

「よかれと思って・・・」と口走るので

「そこが邪魔!」と釘を刺す。

「あなたが"よかれ"と言う思いを抱きながら接しているうちは解決できない。

お互いの"よい"内容が違うのだから。

親といえどもそこは割り切って"よかれ"を捨てて付き合わない限り無理」

はっきりとそう言う。

そうですね・・・と言いつつも「仕事だと割り切れるけれども親だと・・・」とも言う。

その心情は分かるが、だからかえって厄介なのだ。

その親さんは疾病の後遺症がストレスになっているので

扱いが更に難しい。

外では普通の顔をして家庭内でいらつく=家族への甘えの下手な表現の

パターンにはまって抜けられない。

実はその親さんが発症した時、気がついた私が院長命令を無視して

強引に専門病院に転院させて、生きて家に帰る事が出来た経歴がある。

しかし、後遺症の出方がやや複雑だったこともあり

新たな問題を抱える事になってしまった。

・・・こんな事ならば見逃して重症化、落命させた方が

本人も家族も苦しまなかったのではないか・・・・

これは私の「よかれと思って」が結果、仇になった形。

少なくとも意識して見返りや感謝を期待したわけではない。

仕事として当然の事を推し進めたつもりなのだが複雑な思いである。

「よかれと思って」が葛藤となり

「命を救う」が新たな苦しみの火種となる。



平穏に生きるというのは実に難しい。

2010年4月8日木曜日

木村コーチのご冥福をお祈りしますが・・・・

くも膜下出血、動脈瘤膨らみ破裂…高い死亡率
(yomiuri online 4月7日より引用)
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くも膜下出血は、脳の表面を走る動脈に出来た動脈瘤が、血管の内側からの圧力で
少しずつ膨らんだ末に破裂し、脳と、くも膜の間に出血する。
 高血圧の持病のある人や喫煙者などで発症の割合が高くなる。スポーツも一時的に血圧が高まるため、動脈瘤破裂の引き金を引く心配がある。血管の壁が生まれつき弱く、こぶが膨らみやすい体質を持つ人がいると見られている。
50歳代が、脳動脈瘤破裂の割合が最も高いが、埼玉医大国際医療センター脳神経外科の石原正一郎教授は「脳動脈瘤があれば、30代で破裂してもおかしくない」と話す。
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内容も正確です。
でも、有名人の病気、死因が発表されるやいなや
「こんな怖い病気があったんですよ!あなたも危ないですよ!!」
と不安を掻き立てるような論調の記事を垂れ流すのは・・・・
いつからですかね、最近すっかりこのパターン。
飽きました。止めてください。

喫煙者でもスポーツでも体質でも30でも50でも
「危ない危ない」と言われたら
どうしたらいいんでしょう→病院に行きなさい、と言う事か。

脳血管の評価には侵襲の低いMRIアンギオグラフィ(MRA)が
多用されます。
いわゆる「脳ドック」です。
でも、この検査も器機のスペックによって検出率が
かなり異なります。
また、動脈瘤を見つけてもそのサイズと破裂する確立の
相関性はまだ十分確定していません。

脳神経外科医先生のサイトをお読み下さい
未破裂動脈瘤の取り扱いは難しいのです・・・・

マスコミが(作為的・習慣的に)抽出した不安に乗せられて
「検査検査!治療!」と病院に駆け込む人が
増えない事を願います。

2010年4月7日水曜日

画像診断の問題

CT診断を格安・中国に下請け

(Yomiuri online 4月6日より引用)
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医師不足などの影響で、患者の検査画像の診断をインターネットを利用して外部に依頼する医療機関が増えるなか、一部では格安サービスをうたい中国の医師への委託も始まっている。
 中国人医師による画像診断サービスを行っているのは「日本読影センター」(大阪府)。日本人医師によるサービスの傍ら、2008年に中国への依頼を始めた。CTなどの診断を外部に依頼した場合、日本国内では1件当たり3000円前後が相場なのに対し、700~900円で請け負う。結果は日本語に翻訳された報告書で依頼した医療機関に返送される。
吉村英明社長は「契約している中国人放射線科医は約15人おり、診断力はあらかじめテストしている。ただし、日本の医師免許はないため、『参考所見』という位置づけ」と話す。

 国内のCT、MRIの合計数は約1万7000台と、人口当たり先進国中で最も多い。一方、専門医は5000人程度にすぎない。民間調査会社矢野経済研究所によると、遠隔画像診断を利用する医療機関は昨年、1944施設と、10年で8・2倍に増えた。業者も50前後に上るとみられる。 最終更新:4月6日14時42分

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中国人医師の診断能力がどうのこうの、が問題ではありません。
まず、日本人が金にあかせて世界中の高価な画像診断機器を買い漁った事。
その結果、検査症例の質が下がりました。
つまり「ちょっとそこでCTとってもらおっか」
「友達とランチのついでにMRI撮りに寄りました」
という感覚で病院に来る層がどっと増えました。
病院も経営だからお客さんいらっしゃい。
もしくはなんでもかんでも「医療ミス!!」で訴えられるから
「とりあえず検査」「防御CT・MRI」を乱造するしかありません。

また、悲しいかな、オーダーする医者も
どの症例にCT、どの症例にMRIをオーダーするべきか
知らない人が多すぎます。
症例、検査目的によって使い分けが必要なのに
「とにかく撮っておけばいいんだ」感覚の人が実に多い。
現場の指導医がそう教えている場面にも何度も出くわしました。

検査の交通整理、レポート作成をしているのが
放射線診断・読影医、専門医なのです。
華々しい存在ではありませんが
専門医は全国で約5000人ですか・・・・
「なんでもかんでもCT・MRI!!」に対応出来る数ではありません。
オーダー医とデスカッションしながら検査を進めていくべきなのに
ルーチン的、ドック的、訴訟防御的検査を
どんどん積み上げられてはとても対応できません。

かくして「遠隔・外部依頼」の事業が成り立ちます。
遠隔画像診断は症例検討のため各病院をつなぐ
重要な意味のあるシステムです。
そこまでは認めるのですが・・・・

中国に下請けまで出して「参考所見」が欲しいのですか?
まずはタミフルと同じ図式で
海外のメーカーに言われるがまま商品を買いあさり
「それがなしでは成り立たない」社会構造にはめ込まれる
日本人の意識を問題視するべきです。
後先考えずに器械だけをそろえて検査を乱発し
検査の解析が追いつかないアンバランスさをまず是正するべきです。
そして「参考所見」程度でよいのならば
お医者さん、各自で少し勉強してください。
「いや、やはり専門医に見てもらわないと
何かあった時に責任が・・・・」
と思われるのならば国内の専門医と情報交換、デスカッションを
しっかり構築するべきです。

さらに指摘すればこの下請け外部依頼は診療報酬詐欺に使えます。
国内の放射線科常勤医が読影すれば
条件にもよりますが「読影診断料」を請求出来ます。
国内で読影したように見せかけて下請けに出せば
その差額はかなり大きいです。
こういう構図を頭に描いた経営者は少なくないと思います。
調べられればいずればれますが
なにせ検査数が膨大なものなので
厚労省も手が回らないでしょう。

私も某病院で読影専門医として従事している契約なのですが
「人手不足」を理由にいろいろおかしな事を要求されます。
私の名前を使って勝手にレポートを作成する事を
黙認しろ、と脅しに近い圧力をかけられた事もあります。
経営者にとってはレポートの内容・質などどうでも良いのだな、
レポートの枚数イコール札束に見えるんだな・・・・

とにかく「中国に下請け」は
製造業が国内の空洞化を招いた構図と同じで
かつ国内での不正を招きかねない流れだと言っておきます。