2010年4月1日木曜日

99歳の生命力

数年前から往診に行かせて貰っているお爺さまは
御年99歳!!
娘さんの家で若い世代と同居。
もちろん身の回りのことは何でもするし
天気の良い日には近所を散歩されています。

このお爺さまは太平洋戦争の生き抜き組み
しかも職業軍人さん(海軍)でした。
「あのな、大砲の弾が飛んできて"怖い怖い"と
逃げ回っていた奴らは当たって死んだわいな。
わしは"何くそっ!怖くなんかない!!"と
前に出続けた。すると案外当たらないモンじゃ・・・・」
時を経て脚色されている部分があるかもしれませんが
実際に生きておられる方からそう言われると
これ以上の迫力はありません。
・・・真のポジティブ・シンキングですよ・・・・
なまっちょろい青二才が「前向きに!」とか言いたれるのとは
重みが違いますとも・・・・

さしたる病気もなく週2回はデイサービスに通われてごきげん。
デイサービス通所を始めた直後に訪問して感想を尋ねたら
「あそこへ行くとおなごばかりじゃ!!」

・・・男女七歳にして席を同じくせず・・・世代だっ!
怒っているのか?
とあわてましたがよく顔を見るとにこにこして血色が良い。
娘さんが笑いながら解説してくれました。
「お爺さんは最長老で他の利用者さんは全員、年下の女の人。
"すごいわねー、そのお年で私たちよりお元気ねー"と
もててもてて・・・嬉しがっているんですよ!」
よかった・・・そして参りました・・・・

さらに後日談。
しばらくしてその話題を蒸し返して
「年下のお婆さん達にもてて良かったですね!」
と言ったところ
「何がっっ!!」
と憮然として言い返されました。
「婆さんなんかにもてても仕方がない!
わしが好きなのはもっと若い看護師やヘルパーじゃ!!」

すみません・・・言い方・考え方を間違えていました・・・
と平謝りの私。
この欲望、この(良い意味での)色気が99歳の生命力なのです。

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