麻酔薬、「麻薬」指定で災害医療に支障
(Asahi .com 2010.4.10 より引用)
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1月のハイチ大地震に医療チームを派遣した「国際協力機構」(JICA)が、麻薬取締法の規制に阻まれ、災害現場でも使える全身麻酔薬を日本から持ち出せなかったことが分かった。現地の活動に支障が出て、重傷患者の手術ができないケースもあったという。薬物としての使用が問題化して「麻薬」に指定されたためだが、医師らは法の不備と指摘し、厚生労働省に対処を求めている。 ********************************************************************************
「麻酔薬」ケタミンは患者の自発呼吸を止めずに麻酔管理が出来るため
呼吸器などの設備が望めない災害医療現場では
必要不可欠の薬品です。
しかして2003年頃から「ドラッグ」利用目的の密輸が増えたため
07年に麻薬取締法に基づく「麻薬」に指定され、
相手国の輸入許可証明書を持つ輸出業者しか海外に持ち出せなくなった。
まあ、これは当然の措置ですよね。
でも、だからと言ってJICAの持ち出しまでストップとは。
これまでは派遣先の病院にケタミンが置いてあったりで
なんとかしのいできたようですが 今年1月12日のハイチ大地震では、
首都ポルトープランスが壊滅的な被害を受けて地元の医療機能がマヒしたため、
対応できず、重傷者の手術をあきらめざるを得ないケースも
あったとの事。
薬物汚染阻止の為に法的規制をかけたのはいいのですが
それが他の面でどのような事態を引き起こしたのか
現場からの訴えがないと役人には伝わりません。
今回のハイチ地震の事例をふまえてJICAと外務省、厚労省とで
協議がなされているようですが
さすがお役所「法律の枠内で活動してもらわないといかん」
「とにかく許可証明を受けろ」
法律を作っちゃうとまず「法律ありき」で
硬直してしまう構図はそこここにありますが
災害救助・援助の非常時ですよ。
政府命令で派遣されるのに法律によって活動内容に制限を加える。
おかしいですよね?
せっかく行ったのに自分たちの技術を生かせないなんて。
現場の悔しさがにじみ出る内容です。
みつばちはここに居る
13 年前
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